日常的に着ているワイシャツは、
ちょっとした汚れが気になります。
ワイシャツの汚れで特に気になるのが、
襟元や袖口の「黄ばみ」や「黒ずみ」です。
そこで今回は、その特徴と予防方法を中心に、
ワイシャツの基本的なお手入れについてご紹介します。
ワイシャツは「着たら洗う」がベスト
ワイシャツの黄ばみを防ぐ方法
洗濯を数日怠ると、襟元や袖口が黄ばんできます。
これは、付着した皮脂が繊維に入り込み、酸化して変色した状態です。
一度、黄ばみが生じると、漂白しないと白さは戻りません。
黄ばみを防ぐには、シーズンに関係なく、着るたびに洗濯することがベストです。
毎日の洗濯が難しくても、2、3日以内には洗うようにしましょう。
夏場はよく汗をかくので、毎日洗濯する人も多いと思います。
一方で、冬場は、夏ほど汗をかかないため、1、2週間分をまとめて洗ったり、
同じワイシャツを2、3回着てから洗濯する人もいます。
しかし、冬は夏に比べて水分を取らない上、発汗量が少ないので、
さまざまな成分が凝縮された濃厚な汗が出てしまうのです。
そのため、夏以上に皮脂の酸化が早く進みます。
冬でもワイシャツを着たら、その日に洗濯することを心掛けてください。
ワイシャツの黒ずみを防止する方法
襟元などが黄色ではなく黒くなるケースもあります。
この黒ずみは、皮脂が接着剤の役割を果たし、
空気中のすすが付着してしまった状態です。
酸化による黄ばみとは異なり、ミクロの粒子が繊維に入り込んでいるため、
漂白剤も効きません。
黒ずみを落とそうと洗剤を付けてゴシゴシとこすったりすると、
かえって繊維の奥深くまですすが入り込んでしまいます。
黒ずみを防止するには、やはり、着るたびに洗濯するしかないのです。
ワイシャツは一手間できれいに
毎日、ワイシャツやブラウスを洗濯していても、
襟元の黄ばみが気になることがあります。
洗濯前に一手間加えることで、襟の脂や黄ばみを多少、
落とすことができます。
必要なのは、液体の食器用洗剤(粉末の洗剤を使用している場合は、
お湯で溶いてから使用)と、
毛が少し硬めの手持ちブラシです。
100円均一のお店で売られているブラシで構いません。
やり方は至って簡単。
襟の黄ばみが気になる箇所(皮脂が付着する部分)に洗剤を塗って、
ブラシで10回程度たたきます。
そして、すぐに洗濯機にかければOKです。
この方法は、綿素材やポリエステル素材のみに使えるやり方で、
普通のワイシャツであれば問題ありません。
ワイシャツの胸ポケットに付いたペンのインクを消す方法
胸ポケットにボールペンを出し入れする際、うっかり、
インクをワイシャツに付けてしまうことがあります。
これは、クリーニング店に持ち込まれる染み抜き依頼で、
最も多いケースです。
基本的にはプロに染み抜きをお願いした方がいいですが、
家庭でも油性インクであれば、
ペンの染みをおおよそ消すことができます
。
品質表示を確認し、水洗いが可能な場合の染み抜き法を紹介します。
用意するのは、①中性洗剤(台所用でも可)か
アルコールハンドジェル②白の綿タオル2枚(1枚は予備)
③山切りカットの歯ブラシか綿棒です。
まず、ワイシャツの生地の下にタオルを敷きます。
ペンの染みに中性洗剤かアルコールハンドシェルを少し垂らし、
歯ブラシで上からたたきます。
たたくことで、色素が下のタオルに移ります。
少しずつタオルをずらしながら、タオルのきれいな部分に染みを移していきましょう。
タオルに色素がだいたい移ったら、すぐに洗濯機で洗います。
この方法は、水性インクの場合も、ある程度は落とせますが、
それでも色素が残るので、漂白が必要です。
ゲルインクの場合は簡単には落ちないので、クリーニング店で
「有料染み抜き」をお願いした方が賢明です。
ワイシャツが汚れたときの応急処置
食事の際にはねた染みや、食べこぼした跡など、
ワイシャツにはさまざまな染みが付くことがあります。
汚れが付着した直後であれば、次に紹介する応急処置を施せば
、おおむね落とすことができます。
それは、ハンカチや紙ナプキン、ティツシュペーパーに水を多く含ませて、
つまむ方法です。
そうすれぱ、ハンカチなどに染みが移ります。
ハンカチをずらしながら何度か繰り返すと、
ほとんどの汚れが落ちて薄くなります。
この方法で取れない汚れは、漂白や染み抜きをする必要があります。
なお、つまむことがポイントで、こすってはいけません。
こすると、生地を傷めますし、染みが繊維の中に、
より深く浸透してしまいます。
さらに、喫茶店などで出される布のおしぼりは、
塩素を含んでいるため、生地を傷めてしまいます。
そのため、応急処置としては使わないようにしましょう。
ワイシャツを洗濯する時の注意
洗濯時に注意したい点があります。
一つ目は、洗剤の規定量を守るということです。
洗剤が少ないと、その分、洗浄力が落ちてしまいます。
一方、分量が多いと飽和状態になって、汚れ落ちが良くなるどころか、
かえって衣類の色を抜いてしまう恐れもあります。
二つ目は、洗濯機に衣類を詰め過ぎないことです。
洗濯物が多い分、洗浄力が落ちてしまいます。
三つ目に、洗濯機の洗剤の投入口を使うことです。
衣類に直接、洗剤を掛けると、付着した部分に効果を発揮し過ぎて、
もともとの色を破壊してしまう懸念があります。
特に洗濯機のタイマー設定などで、夜のうちに洗剤を直接掛けておいて、
朝に洗濯機を作動させようとすると、
洗剤が衣類に付着している時間が長くなり、変色する恐れが生じてしまいます。
最後に、洗濯機に衣類をためておかないことです。
洗濯機内は通気性が悪く湿気が充満するため、数日前から入っている衣類は、
汚れがひどくなってしまいます。
洗濯物をためておく際は、通気性のある洗濯物龍などに入れて、
少しでも湿気をためない工夫をしてください。
クリーニングを上手に使う
クリーニングに出すメリットは、「時短」になるということです。
洗濯し、干して、畳むという作業をクリーニング店が担ってくれます。
その上、家庭用洗剤とは異なり、洗浄力が高い洗剤で洗うので、
汚れ落ちや仕上がりが違います。
また、染み抜きを依頼して、上手にプロを活用するのもいいでしょう。
シーズンオフには「染み抜き」を
シーズンオフを迎えた半袖ワイシャツは、次のシーズンまで、
どのように保管しておけばいいでしょうか。
オススメは「襟元と袖口の染み抜き」をした上でクローゼットに保管することです。
家庭での洗濯や通常のクリーニングでも、時間の経過した皮脂など、
目に見えない頑固な汚れが残っているものです。
それを次のシーズンまで半年以上も放置することになるので、
黄ばみが悪化してしまうことがよくあります。
そのため、襟元などの染み抜きをしっかり行って、
黄ばみの根を絶っておくことが大切なのです。
クリーニングから戻ってきたワイシャツは、
袋を外し、クローゼットに収納するようにしてください。
ワイシャツは袋から出して保管
高温多湿の環境は、皮脂汚れが悪化してしまうため、
衣類の保管には向いていません。
そのため、クローゼットなどの収納スペースは、
風通しがいいように、ぎゅうぎゅう詰めにせず、
余裕のある間隔で収納してください。
また、クリーニングからビニールの袋に入った状態で戻ってきた衣類を、
そのまま保管するのも避けましょう。
袋に入れる理由は、持ち運ぶ際に衣類を引っ掛けたり、
汚れたりするのを防ぐためで、長期保管用ではありません。
外気との温度差で袋の中に湿気が充満し黄ばみが進んだり、
化石燃料使用の暖房器具を使っている家庭では、
発生したガスなどに反応して、ワイシャツが変色したりする恐れがあります。
ワイシャツを長持ちさせるコツ
夏場のクールビズが定着し、オシャレなワイシャツが多くなりました。
中には、オーダーメードのワイシャツを着ている人もいるでしょう。
お気に入りのシャツは、長く使いたいものですよね。
ワイシャツを長持ちさせるポイントは、着用したら、
遅くても3日以内に洗濯することと、
ワイシャツを複数枚持つことです。
3枚程度しか持つていないと、週に2回は着用し、
2回も犯濯することになります。
そうすると、生地が傷むスピードが早くなります。
ワイシャツを多く持っていれば、その分、
着用し洗濯する間隔を空けることができるので、
そこまで痛ませずに、使うことができます。